えなりかずき
泣きたいほどの夜がある。仕事に失敗した日、敵わぬ恋に破れた日、両親と喧嘩をした時。
夜が明けるまでテレビを見ながらビールをただひたすら酔いつぶれるまで喉に流し込む。お笑い番組が流れていた。どんなネタをしようがどんなトークを繰り広げようが慰めにもらないものばかり。何ら顔の表情ひとつも変えることなくまたビールを口にする。
いつしか缶ビールを手にしたまま眠りに落ちてしまったようだ。
気がついた頃には正午を過ぎていた。テレビには司会を務めるえなりかずきが映っていた。さわやかな笑顔をふりまきながら森田正光などを従えて番組を進行しているえなり、しかし身につけているスーツは全然似合わない。私はニヤリとした。
人生ってなんだろうと考えさせられましたね。
関連記事