タモリ(2)

イリー・K

2013年10月25日 04:26


 日本中を駆け巡った「笑っていいとも!」終了の一報。NHKにまで取り上げられたというこの一大事、出演者のほとんどは知らされておらず、このような形での発表はテレビ番組としては異例の事態らしい。しかし32年の歴史を誇る当番組であるゆえ異例づくしともいえる。ギネスにも認定された同司会者による番組継続年数、はがきの当選以外はほぼ無審査の一般人を入れた公開生番組でありながら重大な事件が一度も起こらなかったこと(変質者が乱入という事例はあったけど)、そしてなにより、面白い面白くないなど語り尽くされ、もはやマンネリは通り越して「空気」のような存在になった番組である点だろう。ほかのどの番組でも到達できないであろう位置にあるのは疑いの余地もない。その「空気」を無くしてしまったあとどのような影響を及ぼすのか、まぁ楽しみではある。

 それはそうと私は一度アルタに入ったことがある。観覧ではないんだが新宿をブラブラ歩いていたら、ちょうど絵画の展示&即売会が催されていて、絵画なんかより「アルタに入れる」というので入ったのだ。多分入場者の半分ぐらいは私と同じスケベ根性で入った田舎者だろうと思う。8階だったか9階だったか、収録が行われているスタジオはエレベーターで上がって狭いロビーを挟んですぐのところにある。とても100人の客が入っているとは思えない狭さだ。テレビを通じては伝わりにくいだろうがよほどのすし詰め状態でステージを見上げていることが想像される。ヒロ・ヤマガタとかラッセンなどそっちのけで「この辺でタモリは歌っているのかな」などと収録している光景をまさにその現場で思いを馳せるのだった。

 また別の日はたまたまアルタに入っていくタモリを見たこともあった。道路越しで小さく見えたが移動の高級車からスーツ姿で降りて周囲の歓声に何ら動じること無く(毎日通ってんだから当たり前だ)エレベーターへ向かっていく姿、背筋がまっすぐでびしっとしていた。以上が私が肌身で感じたメモリーオブいいともである。

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